2007 夏の旅 熊本

僕にとっての生誕の地「熊本」。今回のような厳しい旅のスタートとして最善だったのだが。
初日は友人二人も「ツーリングがてらに着いて行く」という事だったので思いの外、賑やかに熊本までの行程五時間は過ぎていった。
しかし、目的が目的だけにゆっくりは出来ない。友人らは遊びに行き、自分は早速パフォーマンスをすることにした。
熊本では前日花火が上がり、当日は盆踊りが行われていて、順調とは言えない環境だった。つまり前日にメインがあって、街には下火感が漂っていた。かと言って人通りは多い。
丁度改装中の店舗を見つけたので2時間半の活動を行う。
…厳しい。いや、状況は好転しないのだ。
ふと、気が付くと友人らが近くで見ていた。時間も夜九時を回っていたので、場所を変えるついでにお茶でもしよう、との話になった。
友人らにアドバイスを貰う。彼らは陣の正面にあったパチンコ屋に居た様で、話を聞くと大道芸の稼ぎを上回る稼ぎを揚げたらしい。
少し落ち込む自分に友人が言う。
「パチンコ屋の音がうるさかったから雰囲気的に客は集中出来なかったんじゃないか」
路上でやり慣れた自分はいつしか、騒音の類を気にしなくなっていた。改めて路上の難しさを知る。
一息入れた頃には、販売系店舗はシャッターを下ろし、静かな間が下通り一帯に広がる。今の時刻は夜11時前。さあ、演技再開だ。
と、思いきや。アーケード照明が落ちた。ゲームオーバーですな。
一時間弱粘るが、暗くて不気味なために誰も近寄らず。体力限界もあり、演技終了。友人らと呑み決定。

やはり生はいい。これがプレミアムモルツだから尚好い。馬刺しとタテガミを肴に昔話に花が咲く。
もう友人らとは十年来の付き合いになるのだ。昔の公道レース(走り屋)時代の話から近況まで、とお喋りは延々と続いていく。
旅の途中で知ったのだが、友人の一人は今月末に大分を離れて故郷の沖縄に帰るのだという。結局深夜三時過ぎまで呑んでしまった。
楽しくもあり、淋しくもあり。
熊本での活動は三人が阿蘇で別れた事により幕を閉じた。

それぞれに道がある。たった今時分、もう違う道を歩いている。
そんな道を一日一日笑って過ごして行ければいいと思うのだ。

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